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小川哲 - スメラミシング

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SF作家・小川哲さんが、宗教や神、陰謀論をテーマに、SFの立場から人間の信仰心理を描いた短編集。

天皇の棺を運ぶ一族の末裔による労働バイオレンス小説『密林の殯（もがり）』、陰謀論者たちのオフ会を舞台にしたサイコサスペンス『スメラミシング』、そして文明崩壊後の少年少女の残酷な使命を描いた『ちょっとした奇跡』など、さまざまな時代背景の中で、人間の狂気が鮮烈に写し出された作品たちが並びます。

理性が重んじられる世界でも、ふとした曖昧さや小さな謎に心を惹かれ、現実に物語や意味を求めて神を探してしまう。そんな人間らしさが作品ごとに異なる形で浮かび上がっています。

独創的な世界観の中に鋭い洞察がしっかりと息づく、小川さんらしい一冊です。

280 pages
河出書房新社
2024