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パーシヴァル・エヴェレット - ジェイムズ

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2024年の刊行直後からアメリカ文学界で大きな注目を集め、数々の文学賞を受賞。さらに映画化も決まり、スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務めることでも話題となった一冊。

マーク・トウェインの古典『トム・ソーヤの冒険』の続編である『ハックルベリー・フィンの冒険』を、これまで語られることのなかった黒人奴隷ジム（ジェイムズ）の視点から語り直した作品です。

自分が売られる運命を悟ったジムは、生きるために逃亡を決意しますが、その先に広がっていたのは想像以上に苛酷な現実でした。それでも、皮肉と笑いを盾にしながら奴隷主や詐欺師たちをかわし、ジムは旅を続けます。白人の前では“黒人らしい訛り”を演じつつ、心の内では冷静に状況を読み解く彼の言葉は、自由と尊厳を求める逃亡の意味を鋭く問いかけてきます。

当時の奴隷制度がもたらした不条理や暴力を真正面から描き、痛烈な批評性とブラックユーモアで古典を覆す、今読むべき一冊です。

訳　木原善彦
416ページ
河出書房新社
2025